歯ぐきの腫れ・出血の原因
歯ぐきの腫れや出血は、歯肉炎や歯周病の初期症状として見られることがあります。
「歯磨きの時に血が出る」「歯ぐきが赤く腫れている」「歯ぐきがむずがゆい」「口臭が気になる」
といった症状がある場合、歯と歯ぐきの境目に炎症が起きている可能性があります。
ただし、歯ぐきの腫れや出血の原因は歯周病だけではありません。
根の先の膿、歯の破折、強いブラッシング、詰め物・被せ物の不適合、全身状態や薬の影響など、
複数の原因が考えられます。
症状が続く場合は、原因を確認したうえで適切な治療につなげることが重要です。
まず確認したい症状
歯磨きで血が出る
歯ぐきに炎症があると、歯ブラシやフロスが当たっただけで出血しやすくなります。
歯肉炎や歯周病のサインとして確認が必要です。
歯ぐきが赤く腫れる
プラークや歯石がたまり、歯ぐきに炎症が起きている可能性があります。
一部だけ腫れている場合は、根の先の膿や歯のひびが関係することもあります。
押すと膿が出る
歯周ポケットや歯の根の先に感染がある場合、膿が出ることがあります。
痛みが少なくても慢性的な炎症が続いている可能性があります。
口臭が強くなった
歯周ポケット内の細菌、磨き残し、膿、舌苔などが関係している場合があります。
歯ぐきの出血や腫れを伴う場合は歯周病の確認が必要です。
歯ぐきが腫れる・出血する主な原因
歯ぐきの腫れや出血は、炎症が起きている場所と原因によって治療方法が変わります。
歯ぐきの表面だけの炎症なのか、歯を支える骨まで進行しているのか、
あるいは歯の根の先や歯の破折が関係しているのかを確認します。
歯と歯ぐきの境目にプラークがたまり、歯ぐきに炎症が起きている状態です。
歯ぐきが赤く腫れ、歯磨きやフロスで出血しやすくなることがあります。
炎症が歯ぐきだけでなく、歯を支える骨や歯周組織へ進行した状態です。
歯周ポケットが深くなり、出血、膿、口臭、歯の揺れにつながることがあります。
むし歯や過去の根管治療後の再感染により、根の先に膿がたまることがあります。
歯ぐきにニキビのような腫れができ、膿が出る場合があります。
歯にひびが入ると、そこから細菌が入り、歯ぐきの腫れや膿につながることがあります。
噛むと痛い、特定の歯だけ腫れる場合は注意が必要です。
原因別の見分け方
| 歯磨きで血が出る | 歯肉炎や歯周病の初期症状として見られることがあります。磨きすぎだけでなく、歯ぐきの炎症が原因の場合があります。 |
| 歯ぐきが赤く腫れている | プラークや歯石による炎症が考えられます。腫れが続く場合は歯周ポケットの確認が必要です。 |
| 一部だけ大きく腫れる | 歯周病だけでなく、根の先の膿、歯のひび、被せ物の不適合などが関係することがあります。 |
| 膿が出る | 歯周ポケットや根の先に感染がある可能性があります。痛みが少なくても放置しないことが重要です。 |
| 歯がぐらぐらする | 歯周病が進行し、歯を支える骨が失われている可能性があります。早めの診査が必要です。 |
| 強い痛みや顔の腫れがある | 感染が広がっている可能性があります。早めに歯科医院を受診してください。 |
歯周病による腫れ・出血の進み方
歯周病は、初期には強い痛みが出にくいことがあります。
そのため、歯磨き時の出血や歯ぐきの腫れを「よくあること」として放置してしまうと、
気づかないうちに歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨が失われていく場合があります。
歯と歯ぐきの境目に磨き残しがたまると、細菌によって歯ぐきに炎症が起こりやすくなります。
歯ぐきが赤く腫れ、歯ブラシやフロスで出血しやすくなります。
この段階では痛みが少ないこともあります。
炎症が進むと、歯と歯ぐきの間の溝が深くなり、歯石や細菌がたまりやすくなります。
歯周病が進行すると、歯を支える骨が失われ、歯の揺れや噛みにくさにつながることがあります。
歯周病以外で歯ぐきが腫れることもあります
歯ぐきの腫れや出血がある場合、歯周病だけに絞って考えると原因を見逃すことがあります。
特定の歯の根元だけが腫れる、膿が出る、噛むと痛い、被せ物の周囲だけ腫れる場合は、
歯周病以外の原因も確認します。
歯の根の先に膿がたまり、歯ぐきに腫れや膿の出口ができることがあります。
境目に段差やすき間があると汚れがたまり、歯ぐきの炎症や再発むし歯につながることがあります。
歯にひびがあると、細菌が入り込み、歯ぐきの腫れや噛む痛みが出ることがあります。
強く磨きすぎると、歯ぐきに傷がついたり、歯ぐきが下がったりすることがあります。
唾液が少ないと汚れが残りやすくなり、歯ぐきの炎症や口臭につながることがあります。
体調、服薬、ホルモンバランスなどが歯ぐきの腫れや出血に関係する場合があります。
早めに受診した方がよい症状
次のような症状がある場合は、歯ぐきの炎症が進んでいる、または感染が広がっている可能性があります。
自己判断で様子を見続けず、早めに診査を受けることをおすすめします。
- 歯磨きのたびに出血する
- 歯ぐきの腫れが数日以上続いている
- 歯ぐきから膿が出る
- 歯が浮いたように感じる
- 噛むと痛い
- 歯がぐらぐらする
- 口臭が強くなった
- 顔の腫れや発熱がある
- 被せ物の周囲だけ腫れを繰り返す
- 抗生物質で一時的に落ち着いても再発する
診断で確認すること
歯ぐきの腫れや出血の治療では、まず原因を確認します。
歯周病が原因であれば歯周ポケットや歯石の状態を調べます。
根の先の膿や歯の破折が疑われる場合は、レントゲンや必要に応じたCTで確認します。
腫れ、出血、膿、歯ぐきの色、歯の揺れ、痛みの有無を確認します。
歯と歯ぐきの間の深さを測定し、歯周病の進行度を確認します。
出血の有無も重要な判断材料です。
歯を支える骨の状態、根の先の炎症、被せ物の状態、むし歯の有無を確認します。
噛む力の偏り、歯ぎしり・食いしばり、歯のひびや破折の可能性を確認します。
治療方法の考え方
歯ぐきの腫れや出血の治療は、原因によって異なります。
歯肉炎や歯周病が原因であれば、プラークや歯石を取り除き、
歯周ポケットの状態を改善することを目指します。
根の先の膿や歯の破折が原因の場合は、根管治療や再根管治療、外科処置などが必要になることがあります。
| 歯肉炎 | 歯磨き指導、クリーニング、歯石除去により、歯ぐきの炎症改善を目指します。 |
| 歯周病 | 歯周ポケット検査、スケーリング、ルートプレーニング、必要に応じた歯周外科を検討します。 |
| 根の先の膿 | 原因が根管内の感染であれば、根管治療や再根管治療を検討します。 |
| 被せ物の不適合 | 段差やすき間、再発むし歯を確認し、必要に応じて修復物の再治療を検討します。 |
| 歯の破折 | 破折の位置や範囲を確認し、保存可能かどうかを慎重に判断します。 |
自宅でできること・避けたいこと
歯ぐきから血が出ると、怖くなって歯磨きを控えてしまう方がいます。
しかし、磨き残しが原因で炎症が起きている場合、清掃不足によってさらに悪化することがあります。
出血がある場合でも、やわらかい歯ブラシでやさしく清掃し、原因を歯科医院で確認することが大切です。
行ってよいこと
- やわらかめの歯ブラシでやさしく磨く
- 歯と歯ぐきの境目を丁寧に清掃する
- フロスや歯間ブラシを無理のない範囲で使う
- 腫れや出血の場所を記録しておく
- 症状が続く場合は早めに受診する
避けたいこと
- 強い力でゴシゴシ磨く
- 出血が怖くて歯磨きをやめる
- 膿を何度も押し出す
- 市販薬だけで長期間様子を見る
- 腫れが引いたからといって放置する
よくあるご質問
歯磨きで血が出るのは磨きすぎですか?
磨きすぎで歯ぐきが傷ついている場合もありますが、歯ぐきに炎症があるため出血しやすくなっている場合もあります。
出血が続く場合は、歯周ポケットや歯石の状態を確認する必要があります。
歯ぐきが腫れているだけで痛みがなければ大丈夫ですか?
痛みがないから大丈夫とは限りません。
歯周病や慢性的な根の先の炎症では、強い痛みがないまま進行することがあります。
歯ぐきから膿が出たら治ったということですか?
治ったとは限りません。
膿が外へ出ることで一時的に楽になることはありますが、原因となる感染が残っていると再発することがあります。
歯ぐきの腫れは歯周病だけが原因ですか?
歯周病以外にも、根の先の膿、歯のひび、被せ物の不適合、むし歯の再発などが原因になることがあります。
原因によって治療方法が異なります。
出血している時もフロスを使ってよいですか?
無理に強く通す必要はありませんが、歯と歯の間の汚れが炎症の原因になっていることがあります。
出血が続く場合は、適切な使い方と歯ぐきの状態を確認します。
歯ぐきの腫れを繰り返す場合はどうすればよいですか?
繰り返す腫れは、歯周病、根の先の炎症、歯の破折、被せ物の問題などが関係している場合があります。
レントゲンや歯周検査で原因を確認することが重要です。
歯ぐきの腫れ・出血を放置しないために
歯ぐきの腫れや出血は、歯周病の初期サインである場合があります。
一方で、根の先の膿や歯のひびなど、別の原因が隠れていることもあります。
症状だけで原因を判断せず、歯周ポケット、歯石、レントゲン、噛み合わせなどを確認することが大切です。
新宿かえで歯科・形成外科では、歯ぐきの腫れや出血の原因を確認し、
歯周病治療、歯周外科、根管治療、修復物の再治療など、状態に合わせた治療を検討します。
歯磨きで血が出る、歯ぐきが腫れる、膿が出る、口臭が気になる方はご相談ください。
