傷跡修正について

※現在、ステロイドの処方は行なっておりません。

切り傷、やけど、手術、ニキビなどによって皮膚の深い部分まで傷つくと、傷が閉じた後にも「傷跡」が残ります。傷跡の多くは時間の経過とともに赤みや硬さが落ち着いていきますが、傷の深さや場所、傷へ加わる力、体質などによって、赤く盛り上がる、幅が広がる、へこむ、周囲の皮膚がひきつれるなどの状態になる場合があります。
傷跡には、通常の経過をたどった成熟瘢痕、赤く盛り上がる肥厚性瘢痕、元の傷を越えて広がることがあるケロイド、皮膚のひきつれによって関節などの動きを妨げる瘢痕拘縮など、いくつかの種類があります。
それぞれ原因や経過が異なるため、すべての傷跡を同じ方法で治療するわけではありません。また、形成された傷跡を完全に消して受傷前と同じ皮膚へ戻すことはできません。治療では、赤み・盛り上がり・幅・硬さ・ひきつれなどを改善し、できるだけ目立ちにくく、日常生活への影響が少ない状態を目指します。
新宿かえで歯科・形成外科では、形成外科医が傷跡の種類、発生した原因、経過、痛みやかゆみ、皮膚のひきつれ、身体を動かした際の機能障害などを確認し、外科的な傷跡修正などから治療方法を検討します。
傷跡の診察で確認するポイント
傷跡の種類
成熟瘢痕、肥厚性瘢痕、ケロイド、瘢痕拘縮など、現在の傷跡の状態を確認します。
色・盛り上がり
赤み、褐色、白色への変化、盛り上がり、へこみ、幅などを確認します。
自覚症状
痛み、かゆみ、つっぱり感、触れたときの違和感などがあるかを確認します。
機能への影響
関節、首、口周囲などでは、傷跡によって身体の動きが制限されていないかを確認します。

傷跡の主な種類

一般に「傷跡」と呼ばれているものにも、いくつか異なる状態があります。治療方法を選択するためには、まずどのタイプの傷跡に該当するかを確認することが重要です。
01
成熟瘢痕
傷が治った後、炎症が落ち着いて形成された一般的な傷跡です。時間の経過とともに赤みが薄れ、肌色から白色に近づく傾向があります。幅が広い、色が目立つ、位置や方向によって目につきやすいなど、主に外見上のお悩みとなる場合があります。
02
肥厚性瘢痕
傷の範囲に沿って赤く硬く盛り上がった状態です。傷に継続して力が加わる部位や、深い傷、治癒に時間がかかった傷などで生じやすく、痛みやかゆみを伴うことがあります。
03
ケロイド
傷跡の炎症が強く続き、元の傷の範囲を越えて周囲へ広がる場合がある状態です。胸、肩、耳、下腹部などに生じることがあり、痛みやかゆみを伴う場合があります。体質的な要素も関係します。
04
瘢痕拘縮
傷跡が硬く縮むことで周囲の皮膚を引っ張り、関節を動かしにくい、首を動かしにくい、口を開けにくいなどの機能障害を生じる状態です。外傷や深いやけどの後などに生じることがあります。
05
幅の広い傷跡
傷が治る過程で皮膚が左右へ引っ張られることで、線状だった傷跡が次第に広がる場合があります。肩、胸、腹部、背中、関節周囲など、皮膚へ張力がかかりやすい部位で起こることがあります。
06
へこんだ傷跡
外傷、感染、ニキビなどによって皮膚や皮下組織が失われると、周囲よりへこんだ傷跡として残ることがあります。深さや範囲によって適する治療が異なります。

このような傷跡はご相談ください

  • 手術の傷跡が赤く盛り上がっている
  • 帝王切開の傷跡が痛い、かゆい
  • ケガの傷跡が幅広く残っている
  • 傷跡が硬く、みみず腫れのようになっている
  • 傷より広い範囲へ傷跡が広がってきた
  • ピアスの穴の周囲が大きく盛り上がった
  • 胸や肩に赤く盛り上がった傷跡がある
  • やけどの跡が硬くひきつれている
  • 関節付近の傷跡によって動かしにくい
  • 傷跡がへこんで目立っている
  • 傷跡の色や幅が気になる
  • 以前に傷跡修正を受けたが再び目立ってきた
  • 傷跡へどのような治療が適しているか知りたい
傷跡が急に赤く腫れた、膿が出る、強い痛みがある、傷が再び開いたなどの場合は、単なる瘢痕ではなく感染や別の皮膚疾患が関係している可能性があります。早めに医療機関を受診してください。

傷跡が目立ちやすくなる主な要因

同じような大きさの傷でも、目立つ傷跡になる方と比較的落ち着いた傷跡になる方がいます。傷の深さだけではなく、部位、治癒までの期間、傷へ加わる力など複数の要素が関係します。
傷が深い
皮膚の深い部分まで損傷した傷では、目立つ瘢痕が形成されやすくなります。
治るまで時間がかかった
感染や深い組織損傷などによって傷が長期間治らない場合、炎症が持続して肥厚性瘢痕などにつながることがあります。
傷へ強い力が加わる
胸、肩、腹部、関節周囲など、日常動作によって皮膚が繰り返し引っ張られる部位では傷跡が目立ちやすくなる場合があります。
傷を繰り返し刺激する
掻く、衣服でこする、ピアスを繰り返し着脱するなどの刺激が続くと、炎症が長引く場合があります。
傷の感染
細菌感染によって炎症が長引くと、傷の治癒が遅れ、瘢痕が目立ちやすくなることがあります。
体質的な要素
ケロイドができやすい体質には個人差があり、非常に小さな傷からケロイドが生じる場合もあります。

肥厚性瘢痕とケロイドの違い

赤く盛り上がった傷跡では、肥厚性瘢痕とケロイドを区別することが重要です。見た目が似ていても、経過や治療後の再発しやすさなどが異なります。
肥厚性瘢痕
元の傷の範囲内で盛り上がることが多い傷跡
傷の線に沿って赤く硬く盛り上がります。時間の経過とともに炎症が落ち着き、徐々に平らになる場合があります。
ケロイド
元の傷を越えて広がる場合がある傷跡
炎症が強く続き、時間とともに周囲へ広がることがあります。痛みやかゆみを伴い、治療後にも再び増大する場合があります。
実際には肥厚性瘢痕とケロイドの中間的な状態もあり、見た目だけで明確に区別できない場合があります。発生部位、傷ができた経緯、時間経過、広がり方などを確認して治療方針を決めます。

瘢痕拘縮・傷跡のひきつれ

傷が治る過程では、傷跡の組織が少しずつ縮む性質があります。この収縮が強くなり、周囲の正常な皮膚まで引っ張られて身体の動きへ影響した状態を瘢痕拘縮といいます。
特に関節、首、口周囲、手指など、皮膚の動きが大きい部位では、傷跡によるひきつれが日常生活へ影響する場合があります。
手指・肘・膝
関節を十分に伸ばせない、曲げにくいなどの運動制限が生じることがあります。

顎を上げにくい、左右を向きにくいなど、首の動きが制限される場合があります。
口周囲
口を大きく開けにくい、唇が引っ張られるなどの症状が生じることがあります。
目の周囲
傷跡の収縮によってまぶたの形や閉じ方へ影響する場合があります。
瘢痕拘縮によって明らかな機能障害がある場合には、外科的な治療を検討します。拘縮の程度や範囲によって手術方法は異なります。

当院で行う傷跡の治療

傷跡の治療では、現在の炎症の程度、傷跡の厚み、痛みやかゆみ、ひきつれ、治療を希望する理由などを確認し、保存的な治療または手術を検討します。

外科的な傷跡修正

幅の広い傷跡、凹凸が強い傷跡、傷の方向が目立つ場合、瘢痕拘縮によって身体の動きが制限されている場合などでは、手術による傷跡修正を検討します。
手術では現在の傷跡を切除し、周囲の皮膚へ加わる力を考慮しながら縫合する方法などを選択します。ひきつれが強い場合には、皮膚の方向を変える方法などを検討することがあります。
手術を行っても傷跡そのものが完全になくなるわけではなく、新しい手術の傷跡が残ります。現在の傷跡より目立ちにくくすることや、ひきつれなどの機能障害を改善することを目的として行います。
治療方法を選ぶ主なポイント
赤み・炎症
炎症が強い時期には、まずステロイド治療などによって落ち着かせることを検討します。
盛り上がり
肥厚性瘢痕やケロイドでは、厚みや広がり方を確認して治療方法を選択します。
ひきつれ
関節などの動きを妨げる場合は、機能改善を目的とした手術を検討します。
外見上のお悩み
幅、位置、方向、凹凸などを確認し、手術による修正が適しているか判断します。

手術による傷跡修正について

傷跡修正手術は、すでに形成された傷跡を切除して縫い直すことで、傷跡の幅や方向、周囲の皮膚との段差などを整える治療です。
単純に傷跡を切り取るだけでは、同じ場所へ再び幅の広い傷跡ができる可能性があります。そのため、傷跡へどの方向から力が加わっているかを確認し、皮膚の緊張をできるだけ少なくするように縫合します。
瘢痕拘縮では、傷跡を切除した後に皮膚の方向を組み替える方法などを用いて、ひきつれを解除することがあります。広い範囲の欠損が生じる場合には、より大きな手術が必要となることがあります。
手術の適応や実施可能な範囲は傷跡の場所・大きさ・状態によって異なります。当院での対応が難しい広範囲の瘢痕拘縮などでは、必要に応じて専門医療機関をご案内します。

傷跡ができてすぐに手術した方がよいですか?

傷跡は、傷が閉じた直後から一定期間にわたって色や硬さが変化します。赤く硬い傷跡が時間とともに徐々に柔らかく、目立ちにくくなることもあります。
そのため、外見上の傷跡を修正する目的で手術を行う場合は、傷の状態がある程度落ち着くまで経過を確認した方がよいことがあります。
一方、傷跡のひきつれによって関節が動かない、まぶたや口の形へ大きく影響しているなど、機能的な問題がある場合は、経過を待たずに治療を検討することがあります。
傷ができてからの期間だけで判断せず、現在の炎症、硬さ、機能への影響を確認して治療時期を決めます。

保険診療と自費診療について

傷跡治療が保険診療となるか自費診療となるかは、傷跡の種類、症状、治療目的、選択する治療方法によって異なります。
肥厚性瘢痕・ケロイド
痛み、かゆみ、炎症などを伴う肥厚性瘢痕・ケロイドに対し、医学的に必要な治療を行う場合は、治療内容に応じて保険診療となることがあります。
瘢痕拘縮
傷跡のひきつれによって関節の動きなどに機能障害が生じている場合は、診断と手術内容に応じて保険診療となることがあります。
外見上の傷跡修正
機能的な問題がなく、見た目をより整えることを主な目的として行う治療は、自費診療となる場合があります。
保険適用の可否は、傷跡があるという理由だけで決まるものではありません。診察によって症状と治療の必要性を確認し、治療前にご説明します。

傷跡治療の流れ

STEP 01
問診
傷ができた原因と時期、過去の手術歴、これまでに受けた傷跡治療、痛み・かゆみなどを確認します。
STEP 02
傷跡の診察
傷跡の色、幅、厚み、硬さ、範囲、ひきつれ、周囲の皮膚の状態などを確認します。
STEP 03
傷跡の種類を判断
成熟瘢痕、肥厚性瘢痕、ケロイド、瘢痕拘縮などを区別します。
STEP 04
治療方法のご説明
経過観察、局所注射、手術などから、適応となる治療をご説明します。
STEP 05
治療
傷跡の状態に応じて治療を開始します。手術を行う場合は、治療内容や術後管理について事前にご説明します。
STEP 06
経過確認
赤み、盛り上がり、硬さ、痛み、かゆみ、ひきつれなどの変化を確認し、治療内容を調整します。

傷跡修正手術後の経過と注意事項

傷には新しい瘢痕が形成されます

傷跡修正手術では、現在の傷跡を切除して新しく縫合するため、手術を行った場所には新しい傷跡が形成されます。手術直後から完全に目立たなくなるわけではありません。

赤み・硬さが続くことがあります

新しい傷跡は、治癒の途中で一時的に赤くなったり硬くなったりします。時間とともに変化していくため、手術直後の状態だけで最終的な傷跡を判断することはできません。

傷へ強い力を加えない

傷が安定する前に強い力が加わると、傷が開く、幅が広がるなどの原因になる場合があります。部位によっては運動や日常動作を一時的に調整していただきます。

テープなどによる管理

傷の状態によって、術後に傷へ加わる力を減らす目的でテープなどによる保護をご案内する場合があります。

紫外線対策

新しい傷跡へ強い紫外線が当たると、色素沈着が目立つ場合があります。露出する部位では、傷が落ち着いた後も紫外線対策を行います。

異常がある場合は受診する

強い腫れ、出血が止まらない、膿が出る、傷が開いた、痛みが急に強くなったなどの場合は、早めに当院へご連絡ください。

治療に伴う主なリスク・副作用

痛み・腫れ・赤み
注射や手術後に、一時的な痛み、腫れ、赤み、熱感などが生じる場合があります。
出血・血腫
手術後に出血したり、皮膚の下へ血液がたまったりする場合があります。
感染
傷へ感染を起こし、赤み、腫れ、痛み、膿などが生じる可能性があります。
傷が開く
傷へ強い力が加わるなどして、縫合した部分が開く場合があります。
新しい傷跡
手術によって現在の傷跡を切除しても、新しい手術の傷跡は残ります。
肥厚性瘢痕・ケロイドの再発
治療後も赤く盛り上がる傷跡が再び形成される可能性があります。
傷跡の幅が広がる
傷へ強い張力が加わる部位では、手術後に傷跡が徐々に広がる場合があります。
色素沈着・色素脱失
傷跡が周囲より茶色く濃くなる、または白く見える場合があります。
左右差・凹凸
傷跡の位置や周囲組織の状態によって、完全に平坦または左右対称にならない場合があります。
しびれ・感覚の変化
外傷や手術によって、一時的または長期的なしびれや感覚低下が生じる可能性があります。
十分な変化が得られない可能性
傷跡の種類、部位、体質などによって、治療を行っても希望する程度まで改善しない場合があります。

傷跡に関するよくある質問

傷跡を完全に消すことはできますか?
完全に受傷前と同じ皮膚へ戻すことはできません。治療によって傷跡の幅、盛り上がり、赤み、ひきつれなどを改善し、現在より目立ちにくい状態を目指します。
古い傷跡でも相談できますか?
ご相談いただけます。時間が経過した成熟瘢痕でも、幅、凹凸、ひきつれなどの状態によって治療を検討できる場合があります。
手術の傷跡が赤く盛り上がっています。
肥厚性瘢痕やケロイドの可能性があります。傷ができてからの期間、盛り上がりの範囲、痛みやかゆみなどを確認し、治療方法を検討します。
帝王切開の傷跡も治療できますか?
ご相談いただけます。下腹部は皮膚へ力がかかりやすく、肥厚性瘢痕やケロイドが生じる場合があります。現在の状態に応じて治療方法を判断します。
ピアスの穴にできたケロイドも相談できますか?
ご相談いただけます。耳のケロイドでは、大きさ、硬さ、過去の治療歴などを確認して治療方針を検討します。
傷跡修正手術をすると傷はなくなりますか?
手術を行った部分には新しい傷跡が残ります。現在の傷跡をより細くしたり、ひきつれを改善したりすることを目的として行います。
傷跡ができてすぐに修正手術できますか?
傷跡の状態によって異なります。外見上の修正では、赤みや硬さが落ち着くまで経過を確認する場合があります。強いひきつれなど機能障害がある場合は早い段階で治療を検討することもあります。
ケロイドを切除すれば治りますか?
ケロイドは手術だけでは再び増大することがあります。部位や大きさを確認し、保存的治療を含めて治療方法を検討します。
やけどによるひきつれも治療できますか?
ご相談いただけます。やけど後の瘢痕拘縮では、傷跡の範囲や身体の動きへの影響を確認し、手術の適応を検討します。
子どもの傷跡も相談できますか?
ご相談いただけます。成長に伴って傷跡やひきつれの影響が変化する場合があるため、年齢や部位を確認して治療方針を検討します。
傷跡治療は保険診療ですか?
肥厚性瘢痕、ケロイド、瘢痕拘縮など、医学的な治療が必要な状態では保険診療となる場合があります。見た目を整えることのみを目的とする治療は自費診療となる場合があります。
他院で手術した傷跡でも診てもらえますか?
ご相談いただけます。手術内容、傷跡ができてからの期間、これまでの治療歴などを確認します。手術記録などをお持ちの場合はご持参ください。
傷跡の痛みやかゆみだけでも受診できますか?
受診できます。肥厚性瘢痕やケロイドでは、盛り上がりだけでなく痛みやかゆみが主な症状となる場合があります。

新宿で傷跡修正をご検討の方へ

傷跡は、単に皮膚へ線が残った状態だけではありません。赤く盛り上がった肥厚性瘢痕やケロイド、幅の広い傷跡、へこんだ傷跡、身体の動きを妨げる瘢痕拘縮など、状態によって必要な治療は異なります。
特にケロイドや肥厚性瘢痕では、傷跡を切除するだけでなく、炎症を抑える治療や術後の管理まで含めて考えることが重要です。
手術跡、外傷ややけどの跡、帝王切開後の赤く盛り上がった傷、ピアス後のケロイド、傷跡によるひきつれなどでお悩みの方は、新宿かえで歯科・形成外科へご相談ください。