アテローム(粉瘤)について

アテロームは、粉瘤や表皮嚢腫とも呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。皮膚の内側に袋状の構造ができ、本来は皮膚から剥がれ落ちる角質などが袋の中へたまることで、皮膚の下のしこりとして現れます。
一般に「脂肪の塊」と呼ばれることがありますが、脂肪細胞が増えてできる脂肪腫とは異なります。時間の経過とともに袋の中へ内容物がたまり、少しずつ大きくなることがあります。
アテロームは身体のさまざまな場所に生じます。顔、首、耳の後ろ、背中、胸、脇の下、お尻などに見られ、皮膚表面に小さな黒い点や開口部が確認できる場合があります。
新宿かえで歯科・形成外科では、できものの大きさ、部位、炎症の有無、周囲組織との癒着などを確認し、外科的切除や切開排膿など、状態に応じた治療方法をご案内します。
アテロームで見られる主な特徴
皮膚の下にしこりがある
皮膚の下に、丸みのある弾力性のしこりとして触れることがあります。

中央に小さな開口部がある
病変の中央に、黒い点や小さな穴のような開口部が見える場合があります。

少しずつ大きくなる
袋の中へ角質などがたまることで、長い期間をかけて大きくなることがあります。

炎症を起こすことがある
袋が破れたり細菌感染が加わったりすると、赤み、腫れ、熱感、痛みなどが現れる場合があります。

アテロームができやすい部位

アテロームは皮膚のある場所であれば、さまざまな部位に発生する可能性があります。部位によって傷跡の方向や手術方法、日常生活への影響が異なります。
01
顔・頭部
額、頬、顎、耳の周囲、頭皮などに生じることがあります。目立ちやすい部位のため、傷跡の位置や方向を考慮して治療します。

02
首・耳の後ろ
首や耳の後ろは、アテロームが生じることがある部位です。衣服やアクセサリーによる刺激を受ける場合があります。

03
背中・胸部
比較的大きくなるまで気づきにくく、家族や健診などで指摘されることがあります。

04
脇の下・臀部
摩擦や圧迫を受けやすく、炎症を繰り返す場合があります。ほかの皮膚疾患との鑑別が必要になることもあります。

05
手のひら・足の裏
一般的なアテロームとは発生機序が異なる場合があります。歩行や手作業によって刺激を受けやすいため、部位に応じた診断と治療が必要です。

このような症状はご相談ください

  • 皮膚の下に丸いしこりがある
  • しこりが少しずつ大きくなっている
  • しこりの中央に黒い点や穴がある
  • 押すと白色や黄色の内容物が出る
  • 内容物から独特の臭いがする
  • 衣服やアクセサリーに触れて気になる
  • 同じ場所が繰り返し赤く腫れる
  • 急に痛みや熱感が出てきた
  • できものが破れて膿のようなものが出た
  • アテロームなのか、ほかの腫瘍なのか分からない
強い痛み、急速に広がる赤み、発熱、悪寒、顔や首の大きな腫れなどがある場合は、炎症や感染が広がっている可能性があります。通常の予約を待たず、早めに医療機関へご相談ください。

炎症を起こしたアテローム

アテロームの袋が破れ、袋の中にたまっていた角質などが皮膚の内部へ漏れると、異物反応によって強い炎症が起こることがあります。細菌感染が加わることで、症状がさらに強くなる場合もあります。
炎症が起こると、しこりの表面が赤くなり、腫れ、熱感、圧痛などが現れます。進行すると内部に膿性の内容物がたまり、皮膚が柔らかく波打つように感じられる場合があります。
赤み・腫れ
しこりの周囲が赤く腫れ、短期間で大きくなることがあります。
痛み・熱感
触れたときだけでなく、何もしていなくても痛む場合があります。
膿性内容物の排出
自然に破れ、臭いのある内容物や膿が排出されることがあります。
発熱・体調不良
炎症の範囲が広い場合には、発熱や全身のだるさが生じることがあります。

炎症が強い状態では、袋と周囲組織の境界が分かりにくくなり、一度に袋全体を摘出することが難しい場合があります。その際は、切開して内容物を排出し、炎症が落ち着いた後に根治的な切除を検討します。

アテロームと似ている皮膚のできもの

皮膚の下に触れるしこりが、すべてアテロームとは限りません。脂肪腫、類皮嚢腫、石灰化上皮腫、膿瘍など、見た目や触れ方が似た病変があります。
脂肪腫
脂肪細胞から生じる良性腫瘍
比較的柔らかく、皮膚の下で動くように触れることがあります。アテロームのような中央の開口部は通常見られません。

類皮嚢腫
発生の過程に関連して生じる嚢胞
眉毛の外側、鼻周囲などに生じる場合があります。発生部位や深さを確認して治療を計画します。

膿瘍
細菌感染などによって膿がたまった状態
赤み、腫れ、熱感、痛みなどが見られます。アテロームに感染が加わって膿瘍を形成することもあります。

その他
良性・悪性の皮膚腫瘍
まれに、別の皮膚腫瘍がアテロームのように見える場合があります。診断が明確でない場合は、病理組織検査を検討します。

当院で行うアテロームの治療

外科的切除

炎症が落ち着いているアテロームでは、局所麻酔を行い、皮膚を切開して袋状の構造を含めて摘出します。袋が残ると再発する可能性があるため、周囲組織から慎重に剥離します。
病変の大きさや部位に応じて皮膚を紡錘形に切除し、傷を縫合します。傷跡は線状に残りますが、皮膚のしわや自然な線に沿うように、切開の方向を検討します。

くり抜き法

円筒状の器具などを使用して、アテロームの開口部を含む皮膚の一部を小さくくり抜き、内容物と袋を取り出す方法です。
切開範囲を小さくできる場合がありますが、病変の大きさ、部位、炎症歴、周囲組織との癒着などによっては適さないことがあります。当院での実施可否は、診察後に判断します。

切開排膿

赤み、腫れ、強い痛み、膿の貯留などがある場合は、皮膚を切開して内容物を排出し、内部を洗浄する処置を行うことがあります。
切開排膿は炎症を落ち着かせるための処置であり、アテロームの袋全体を除去する根治的な治療とは異なります。袋が残っている場合は、炎症が改善した後に切除手術を検討します。
治療方法を決める主な要素
炎症の有無
赤み、腫れ、痛み、膿などがあるかを確認し、切除または切開排膿を判断します。

大きさ・部位
病変の直径、皮膚の厚み、周囲の神経や血管との位置関係などを確認します。

過去の炎症・手術歴
炎症を繰り返した病変や過去に処置を受けた病変では、周囲組織と癒着している場合があります。

傷跡への配慮
顔や首など目立ちやすい部位では、切開する位置や方向を検討します。

治療せずに経過を見られる場合

アテロームは良性の皮膚腫瘍であり、小さく、炎症や痛みがなく、日常生活への支障がない場合は、必ずしもすぐに治療する必要はありません。
ただし、袋の中に内容物がたまることで徐々に大きくなったり、突然炎症を起こしたりする可能性があります。大きくなるほど傷跡も長くなる場合があるため、治療の時期について医師と相談することが重要です。
ご自身で強く押す、針を刺す、内容物を絞り出すなどの処置は、袋を傷つけ、炎症や感染、傷跡の原因となる可能性があります。自己処置は避けてください。

保険診療について

アテロームの診察や、病気として必要となる切除手術、炎症時の切開排膿などは、診断と治療内容に応じて保険診療の対象となる場合があります。
外科的切除
アテロームを袋ごと摘出し、必要に応じて病理組織検査を行います。
炎症時の処置
強い腫れや痛み、膿の貯留がある場合は、切開排膿などを行うことがあります。
病理組織検査
切除した組織を顕微鏡で確認し、診断を確定する場合があります。

保険適用の可否、手術費用、病理組織検査の必要性などは、病変の状態と治療内容を確認したうえでご案内します。

アテローム治療の流れ

STEP 01
問診
しこりに気づいた時期、大きさの変化、過去の炎症、痛み、排出物などを確認します。

STEP 02
診察
しこりの大きさ、硬さ、動き、皮膚との関係、中央の開口部、炎症の有無などを確認します。

STEP 03
治療方針のご説明
経過観察、外科的切除、くり抜き法、切開排膿などから適応となる方法をご説明します。

STEP 04
局所麻酔
手術または切開を行う部位へ局所麻酔を行います。

STEP 05
手術・処置
計画した方法で袋を摘出するか、炎症部位を切開して内容物を排出します。

STEP 06
止血・縫合・保護
必要に応じて傷を縫合し、ガーゼや保護材を使用します。

STEP 07
経過確認・抜糸
傷の状態を確認し、縫合した場合は部位に応じた時期に抜糸を行います。

STEP 08
病理検査結果のご説明
病理組織検査を行った場合は、後日、検査結果をご説明します。

手術後の経過と注意事項

傷を清潔に保つ

手術後は、医師の指示に従って傷を洗浄し、軟膏やガーゼなどで保護します。傷を強くこすったり、汚れた手で触ったりしないでください。

出血時は圧迫する

少量の出血が見られる場合は、清潔なガーゼなどで一定時間圧迫してください。圧迫しても出血が止まらない場合は、当院へご連絡ください。

運動・飲酒・入浴に注意する

手術当日は、血流が増える激しい運動、飲酒、長時間の入浴などを控えていただく場合があります。治療部位や手術範囲に応じた注意事項をご説明します。

炎症時の傷は通院が必要な場合があります

切開排膿を行った傷は、内部の内容物を排出させるため、縫合せずに開放した状態で管理することがあります。洗浄やガーゼ交換のため、複数回の通院が必要になる場合があります。

傷跡は時間とともに変化します

手術直後の傷跡には赤みや硬さが見られます。通常は時間の経過とともに変化しますが、傷跡が盛り上がる、強いかゆみが続くなどの場合はご相談ください。

治療に伴う主なリスク・副作用

痛み・赤み・腫れ
手術や麻酔の影響により、一時的な痛み、赤み、腫れ、熱感などが生じる場合があります。
出血・血腫
傷から出血したり、皮膚の下に血液がたまったりする場合があります。
感染
手術後に感染を起こし、腫れ、痛み、膿、発熱などが生じる場合があります。
傷跡
切開や縫合を行った部分には、線状または円形の傷跡が残ります。
肥厚性瘢痕・ケロイド
体質や治療部位によって、傷跡が赤く盛り上がる場合があります。
知覚の変化
治療部位によっては、一時的または長期的なしびれや感覚の変化が生じる可能性があります。
残存・再発
袋の一部が残った場合や、炎症による癒着が強い場合には、同じ場所に再発する可能性があります。
創離開
傷へ強い力が加わると、縫合した部分が開く場合があります。
局所麻酔による反応
局所麻酔によって、動悸、気分不良、アレルギー反応などが生じる可能性があります。

アテロームに関するよくある質問

アテロームは脂肪の塊ですか?
脂肪の塊ではありません。皮膚の内側にできた袋の中へ、角質などがたまって形成される皮膚腫瘍です。脂肪細胞から生じる脂肪腫とは異なります。

自然に治りますか?
内容物が一時的に排出されて小さくなっても、袋が残っていると再び内容物がたまることがあります。根治を目指す場合は、袋を含めた摘出が必要です。

自分で内容物を絞り出してもよいですか?
強く押すと袋が破れ、炎症や感染を起こす可能性があります。また、内容物を出しても袋は残るため、再び大きくなることがあります。自己処置は避けてください。

痛みがなくても手術した方がよいですか?
小さく、症状がなく、日常生活への支障がない場合は、経過観察を選択できることがあります。一方で、徐々に大きくなる場合や炎症を繰り返す場合は、切除を検討します。

炎症がある状態でも手術できますか?
炎症が強い場合は、袋と周囲組織の境界が分かりにくくなるため、最初に切開排膿を行うことがあります。炎症が落ち着いた後、袋を摘出する手術を検討します。

切開排膿をすれば治りますか?
切開排膿は、膿や内容物を排出して炎症を改善するための処置です。袋が残っている場合は再発する可能性があり、後日、摘出手術が必要になることがあります。

手術には麻酔を使用しますか?
通常は局所麻酔を行ってから手術します。麻酔注射の際に痛みを感じる場合がありますが、治療中の痛みを軽減した状態で処置します。

手術後に傷跡は残りますか?
皮膚を切開するため、傷跡がまったく残らないわけではありません。病変の大きさ、部位、炎症歴、体質などによって傷跡の状態は異なります。

再発することはありますか?
袋を完全に摘出できれば再発の可能性を抑えられますが、炎症や癒着によって袋の一部が残った場合などには、再発する可能性があります。

手術した組織は検査しますか?
切除した組織は、必要に応じて病理組織検査へ提出します。アテロームに似た別の腫瘍との鑑別や、診断の確定に用います。

アテロームの治療は保険診療ですか?
病気として必要となる診察や手術、炎症時の処置などは、診断と治療内容に応じて保険診療の対象となる場合があります。診察後にご案内します。

診察した日に手術できますか?
病変の大きさ、部位、炎症の有無、手術時間、当日の予約状況などによって異なります。診察当日に処置できる場合もありますが、後日の手術予約をご案内することもあります。

新宿でアテロームの治療をご検討の方へ

アテロームは良性の皮膚腫瘍ですが、少しずつ大きくなったり、突然炎症を起こして強く腫れたりすることがあります。小さいうちに治療するか、経過を確認するかは、病変の部位や状態によって異なります。
皮膚の下のしこり、中央に黒い点があるできもの、繰り返し赤く腫れる病変、臭いのある内容物が出るできものでお悩みの方は、新宿かえで歯科・形成外科へご相談ください。